高崎トリニティ接骨院

産前産後

妊娠・出産後に起こるお尻の奥の痛み(深殿部痛)について

「出産してからお尻の奥がズキズキ痛む…」
「座ると太ももの裏までしびれる感じがする」

このような症状に悩む方は少なくありません。実はそれ、深殿部痛(Deep Gluteal Syndrome: DGS)と呼ばれるものかもしれません。

ここでは、妊娠・出産後に起こりやすい深殿部痛について、原因や治療法、セルフケアまでわかりやすく解説します。


Q1. 深殿部痛(DGS)とはどんな病気?

深殿部痛とは、お尻の奥の深い部分で神経や血管が圧迫されたり、筋肉・靭帯にひっかかったりすることで起こる痛みです。

  • お尻の奥がズキズキする
  • 足のつけ根(鼠径部)や太ももに痛みやしびれが広がる
  • ときに肛門まわりまで違和感が出る

といった症状が特徴です。


Q2. 出産後に起こりやすいのはなぜ?

妊娠や出産は骨盤や筋肉に大きな負担をかけます。

  • 妊娠中:大きくなった子宮が骨盤内の神経や血管を圧迫
  • 出産時:骨盤が大きく開き、靭帯や筋肉にストレスがかかる
  • 産後:骨盤が不安定になり、神経や筋膜が影響を受けやすくなる

これらの変化によって、神経が圧迫されたり、筋肉と神経の間に「癒着(ひっつき)」ができたりして痛みが出ます。


Q3. 仙腸関節の痛みとどう違うの?

出産後のお尻の痛みでよく見られるのが仙腸関節障害です。
仙腸関節は骨盤の左右にある関節で、妊娠や出産で不安定になりやすい部位です。

  • 仙腸関節の痛み → 腰や骨盤まわりに出やすい
  • 深殿部痛(DGS) → お尻の奥、太もも裏、肛門まわりに広がる

まずは仙腸関節かどうかを調べ、それで説明できない症状が残るときにDGSを考えます。


Q4. どんな神経や筋肉が関わっているの?

お尻の奥には多くの神経や筋肉があります。代表的なものは:

  • 坐骨神経:太ももから足に伸びる大きな神経
  • 後大腿皮神経:太ももの後ろの感覚を担当
  • 陰部神経:肛門や会陰部に関わる神経

これらが梨状筋や大腿方形筋などの深部筋肉の近くを通っており、出産後の骨盤の変化で圧迫や癒着が起きやすいのです。


Q5. どんな治療があるの?

1. 保存的治療(まずはここから)

  • 骨盤を支えるベルトの使用
  • 温めて血流を改善
  • 安静や生活動作の工夫

2. リハビリや施術

  • 神経と筋膜の「癒着リリース」
  • 筋肉の緊張を和らげるストレッチや運動療法
  • 姿勢や動作の改善指導

3. 生活習慣の見直し

  • 長時間の座位を避ける
  • 同じ姿勢を続けずこまめに休憩
  • 正しい抱っこや授乳姿勢を意識する

多くの場合、手術は不要で、保存的な方法で症状が改善します。


Q6. 自分でできるセルフケアは?

① 長く座り続けない

→ 30分に一度は立ち上がって歩く

② 姿勢を意識

→ 猫背や反り腰にならないように気をつける

③ 骨盤ベルトを活用

→ 座るときや家事のときに骨盤を安定させる

④ やさしいストレッチ

→ お尻の筋肉を伸ばすポーズ(専門家に指導を受けて行うと安心)


体験談:出産後にお尻の奥が痛んだAさんの場合

「2人目の出産後から、お尻の奥にズキッとする痛みが出てきました。最初は腰痛かと思って湿布をしていましたがよくならず…。整形外科で検査して仙腸関節は大丈夫と言われ、リハビリで“神経と筋肉の癒着”をほぐしてもらったら楽になってきました。今はストレッチと骨盤ベルトを続けています。」

このように、仙腸関節以外の原因(DGS)が隠れている場合もあるため、正しい診断が大切です。


まとめ

妊娠・出産後のお尻の奥の痛み(深殿部痛・DGS)は、あまり知られていませんが決して珍しいものではありません。

  • 骨盤や神経への負担が原因
  • 仙腸関節障害と似ているので鑑別が重要
  • 保存的治療と生活の工夫で改善することが多い

「腰ではなくお尻の奥が痛い」「座るとしびれる」といった症状がある方は、一人で悩まず専門家に相談してください。

院長の写真

執筆者:高崎トリニティ接骨院 院長 松田 諒

資格: 柔道整復師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、マットピラティスインストラクター、クラシカルオステオパス

スポーツトレーナー活動や接骨院、整骨院、整形外科に7年勤務し、令和5年に高崎市倉賀野町にて開業いたしました。
皆様の身体のお悩みの解決を手助けできるよう施術しております。