高崎トリニティ接骨院

産前産後

出産に関連する「恥骨結合離開(SPD)」について

~患者さん向けのやさしい説明~


恥骨結合離開とは?

股関節の模型

出産のあとや妊娠中に「恥骨のあたりが痛い」「歩くと骨盤がグラグラする」という症状が出ることがあります。これは恥骨結合離開と呼ばれる状態です。

恥骨は骨盤の前側で左右の骨をつなぐ部分ですが、出産時にホルモンの影響や分娩の負担でこの部分が緩み、ずれたり不安定になったりします。ひどい場合は「立つのもつらい」「歩けない」ほどの痛みが出ることもあります。


痛みの原因は?

大きな原因は「骨盤のゆがみ」です。特に骨盤が前に傾いてしまう(前傾)と、恥骨の一方が下にずれてしまい、痛みや不安定感につながります。
つまり、痛い部分そのものを押したり動かしたりするだけではなく、骨盤全体のバランスを整えることが大切です。


治療の流れ

1. まずは痛みを落ち着かせる

  • 骨盤ベルトや安静で痛みを和らげます
  • 必要に応じて温めたり軽いストレッチを行います

2. 骨盤の位置を整える

  • 骨盤が前に傾きすぎないように姿勢を調整します
  • 骨盤を安定させるための器具(例:リアライン・コア)を使うこともあります

3. 筋肉を鍛える

  • 恥骨にくっついている下腹部の筋肉(腹直筋下部)がとても重要です
  • この筋肉を鍛えることで、骨盤がグラグラしにくくなります
  • 大臀筋(おしりの筋肉)も安定に役立ちます

4. 動作の工夫

  • 大股で歩く
  • 片足を大きく前に出して立ち上がる
    こうした動きは恥骨に負担をかけやすいので、できるだけ避けましょう。

リアライン・コアってなに?

「リアライン・コア」という器具は、骨盤の傾きを整えて恥骨部分を安定させる効果があります。

  • つけて楽になる場合 → 痛みの原因が恥骨結合にある可能性が高い
  • 効果がない場合 → 他の場所(膀胱や靭帯の癒着など)が原因かもしれない

出産直後から使うこともでき、骨盤痛の予防に役立つと報告されています。


ストレッチや運動で注意すること

  • 股関節前面を伸ばすストレッチは、骨盤を前に傾けやすいので注意が必要です
  • 骨盤の左右差をなくすために、ストレッチの順番を工夫しましょう
  • 恥骨が片側だけ下がっている場合は、偏って使われにくい腹筋を鍛える運動が効果的です
  • 神経や筋肉の「癒着」(ひっつき)が原因で骨盤が硬くなっていることもあるので、その改善が必要なこともあります

リアライン・コアを装着して行うと、恥骨のずれを抑えながら安全にストレッチできます。


ほかの原因が隠れていることも

恥骨結合そのものの痛みだけでなく、

  • 膀胱や尿道と靭帯の癒着
  • その周囲の組織の硬さ
    が痛みや尿漏れの原因になっていることもあります。

そのため、どこが本当に痛みの原因なのかをしっかり確認する(精密な触診など)ことが大切です。


まとめ

  • 出産後の恥骨の痛みは、骨盤の前傾や不安定さが関係しています
  • まずは痛みを落ち着かせ、その後に骨盤を整えて筋肉を鍛えることが重要です
  • 大股歩きなどの動作は避け、骨盤を守る工夫をしましょう
  • 装具(リアライン・コアなど)や適切な運動を使うと回復が早まります
  • 痛みの原因が恥骨結合以外の可能性もあるため、専門家の診断を受けることが大切です
院長の写真

執筆者:高崎トリニティ接骨院 院長 松田 諒

資格: 柔道整復師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、マットピラティスインストラクター、クラシカルオステオパス

スポーツトレーナー活動や接骨院、整骨院、整形外科に7年勤務し、令和5年に高崎市倉賀野町にて開業いたしました。
皆様の身体のお悩みの解決を手助けできるよう施術しております。